Teacher Aide Diary

Teacher Aideのメンバーが活動のようす、思いを綴ります。

【後日談】最難関の壁を超える。トランスジェンダー学生の親へのカミングアウト #学生が見る教育時事

このブログは、雑誌版Paraply「学生が選ぶ教育時事」における、学校の制服選択の記事の後日談です。記事を執筆した筆者は、トランスジェンダー女性の当事者です。雑誌の記事で、自身が「最難関の壁」とした「親」へのカミングアウトの様子をお届けします。

 

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記事を書いた後の5月、私は両親に、自身のセクシュアリティについて打ち明けることができました。5月にカミングアウトしようとした経緯としては、私が所属する大学は、通称名を認めている学校でした。4月に入学してすぐに、教務課に申請し、通名を使用することになりました。これにより、奨学金以外の学内で使われる書類などの名前が全て通名にかわり、同時に学生証も変わり、2週間後に新しいのと交換しました。だがここで一つ懸念点があります。全て通名に変わったという事は、大学から家に届くお知らせメールが通名で届く。となると、私がカミングアウトするには、時間の問題となりました。そしてある日ついに、自宅に大学から通名で手紙が届いたうえに、それを両親が受け取っていました

 父親は、単純に郵便局職員が配達ミスだと思い、郵便局員に返却しようとしました。母親はなにかを感じとったのか、それを私に持ってきました。私としては、いよいよこの時が来たと思い、それ以来自宅が心休まる場所ではなくなりました

 母親が、私に持ってきた時は適当に誤魔化しました。

 いつか言わなければならないという思いを持っていましたが、2人きりになっても、自分の気持ちが整わない状況が続いていました。一番身近な人だからこそとてつもなく緊張するもので、実際カミングアウトを決意してから実行するまでには、約2週間を要しました。母親との二人のタイミングを見計らい、かつ自分の気持のタイミングと合わせていました。なかなかこれってという機会がなかなか来ませんでしたが、二週間後の日曜日。毎週楽しみにしているテレビを見ているときにまずは母親にカミングアウト。
結果としては、受け入れてくれるという事でした。というか母親に関しては、1~2年前から私が髪を伸ばし始め、それで「もしかしたら」というのは、あったみたいです。ここ最近同じトランスジェンダーの当事者がテレビで映る事もあり、それと重ねていたみたいです。父親は、母親から伝えてもらう事になりました。父親は、すんなり受け入れるというより、「仕方がないよね」という感じでした。私が女性的な服装や髪型をしている事に対しては、両親ともにまだ抵抗があるようです。だがその母親でも、私が女性的な格好をする事に対する抵抗もすぐ受け入れるというわけではなく、徐々にって感じで、徐々に徐々に受け入れてくれた感じです。

 まだ家では、好きな格好が出来ているかというとそうではないし、田舎という事もあってジェンダー的にはまだいい環境とまでは言えないと思っています。